I’m home! (ただいま〜!)
アルバータ州の南西部にあるブラッド居留地のある一角で毎年行われる
『サンダンス』というネイティブアメリカンの儀式に参加するため
10日間程留守にしていて、ちょうど月曜日に帰宅したところだよ。
普通サンダンスって聞くと『アメリカでやる映画祭?』って言う人が殆どなんだけど、
実はアメリカやカナダの平原インディアンが行う最大の『祈り』の儀礼のこと。
(あまり詳しくは書けないので興味のある方は自分でGoogleしてください。。。)
元々アメリカのラコタ族(スー族)だけが行っていたものを、
ブラックフット族が儀礼を行う資格を与えられて
カナダ側でも行われるようになったそう。
ちなみに私たちがファミリーの一員として迎え入れて頂いているサンダンスは、
今は亡きグランマ(長老)がラコタ族から直接正統に権利を継承して執り行われているよ。
だから儀式で歌う歌は一部を除いてラコタ語のもの。
で、サンダンスがどんな儀式なのかというと・・・
正直なところ、この儀式そのものとそれに関わる人たちの想いが神聖すぎて
言葉で表すのもなかなか難しいんだけど、、、
ネイティブアメリカンの宇宙観である円を象徴とした円形の野外会場で執り行われ、
その中心には「聖なる木」が建てられて、その木に「プレイヤー・タイズ」と呼ばれる
数種類の色の布に煙草と人々の祈りを詰めて
てるてる坊主のようにしたものをそれぞれ縛り付けるよ。
ネイティブインディアンの信仰では
「大自然の全てはクリエーター(大いなる神秘)の元にある」と考えていて、
ピース・パイプ(平和のキセル)で煙草を蒸すことによってクリエーターと会話をし、
自然との調和や平和に対して祈りを捧げるよ。
サンダンサーはすべての人々の祈りを背負って毎日日の出と日の入りのタイミングで
スウェットロッジというサウナのようなドームに入り心身を清めてから、
日の出から日の入りまで4日間絶水絶食で踊り続け、
ピアシングという苦行(自分の身を捧げる)やパイプセレモニーを経て
ひたすら祈りを捧げる儀礼。
サンダンスは秘儀だから写真やビデオに収めることは一切許されていなくて
何もお見せすることが出来ないんだけど、
唯一カナダのNational Film Boardが正式に部族やソサエティーからの許可を得て
製作された短編ドキュメンタリー『Circle of the Sun』(1960年)があるから
リンクを貼っておくね。(日本から閲覧できればいいけど、、、)
https://www.nfb.ca/film/circle-of-the-sun/
私も3年前に初めてダンサーとして参加して以来、4年間(東西南北の方向に対して)の
コミットメントがあるから今年も参加を予定していたんだけど、
丁度ムーンタイム(月経)のタイミングと重なってしまい今回は参加を断念。
ムーン中の女性はサポーターとしての参加や円形の会場に近寄ることすらも
許されていないから、今回私は儀式最終日以外はほぼ遠く離れた家の中で
できる範囲でお掃除やお料理のお手伝いをすることしかできなかったよ。
何故そんなにムーン中の女性に対してのタブーがあるかというと、
それは女性が生命を育む性だからで、
大いなる神秘であるクリエーターと直接的に繋がることができるためらしい。
ムーン中の女性というのは物凄くパワフルで良くも悪くも他者との霊的な交信力が強く、
例えばダンサーを傷つけてしまったり、自分の中にあるネガティブなもを
ダンサーに移してしまったりとかえって力が強すぎる故、色んなタブーが生じるみたい。
神道信仰のいう「穢れ」とはまた違った捉え方なのかな。
ということで、まだまだこれから何年も何十年もかけて
謙虚に彼らのスピリチュアリティを肌で感じさせて頂ければと思うよ。
地域や部族によってはとても閉鎖的であったり、
とことん様式にこだわったりすることもあるんだけれども、
ブラックフット族は物凄くオープンであり寛容であり人種問わず受け入れてくれて
本当にいつも感謝の気持ちでいっぱい。
また来年自分のコミットメントを果たすべく聖なる木にコミットしてきたから、
またこれから1年間自分と家族と仲間とコミュニティーと世界の平静と調和を願って
過ごしていこうと思うよ。
あまりにも写真がないから、サンダンス前に遊びに行ったパウワウ
(Piikani Nation Pow Wow 2017)から数枚シェアするね。
6月にうちの近くで行われたパウワウを以前紹介したけど、
ここのパウワウは規模とレベルが違った!
カナダやアメリカのいろんな場所から賞金目当てに沢山のダンサーが集まって
すごい熱気だった!